吟風卑弥呼2

上の写真は「吟風*卑弥呼」のF2苗です。
以前にもUPしましたが甲竜芸の出ている個体です。

これをご覧になったお客様からご質問をいただきました。

質問・・・芽数の多いのは軸がつながっているのか?

これ実は案外いただく質問なのですが、私友は慣れっこになってしまって不思議には思わなくなってしまっていますので、その点はユーザー目線にならないといけないわけですが・・・。

上のご質問に対しての回答が ↓

なんでこんなにゴチャゴチャしているのか?と・・・。
 
風蘭は種をまくと、一番最初にプロトコームと言って根も葉もない緑素の小さな塊が出来てきます。
 
その次に徐々に葉と根を形成していくのですが、
 
その過程で1~2本しか芽が増えない個体と、
やたら、もじゃもじゃと芽数が増える個体とに別れます。
これはどちらも1株でたった一つの生長点から形成された1個体です。
 
今回の木は後者です。
 
当然ながら芽数が多い方が成長は遅くなりますので、
卑弥呼のような容姿になるにはそれなりに時間が必要です。
気長にじっくり作り込んでみてください。
成長期にはシッカリ施肥してあげた方が成長が早くなります。

そーしましたらもう一度ご質問が・・・

同じプロトコームという塊から出来た多数の芽は、すべて同じ芸をするのですか。
それとも芽によって、芸が変わりますか。

これに対しては ↓

これは芽によって変化します。
 
全て同じなら今回の苗もすべての芽に甲竜が出ると思います。
でも実際は一部に出ているだけです。
 
甲竜は偶然、突然変異の産物です。
 
よい例がメリクロンです。
 
フウランの生長点を摘出してメリクロン培養しますと、
 
理論的にはクローンですので全く同じ個体が何本もできるはずですが、
実際にはそうはなりません。
 
生長点が増殖をしていく過程で少し変化が生まれます。
 
青のはずが縞が出たり、花に変化が出たりと様々です。
 
ですので、今回の苗も最初は1個のプロトコームの中に1個の生長点があるだけです。
 
それが成長するにしたがって細胞分裂して芽が増えていきます。
 
そこで何らかの事象が起きて変異するわけです。
 
その事象が何なのか判れば他にないような変異個体を作れるわけですが、
それを解明するには人の一生は短かすぎます。

以上がご質問に対する私の回答でした。

同じように 感じている方がいるかもしれないと思いまして、載せさせていただきました。

このように素朴な疑問をお持ちの方は、遠慮なくお問い合わせしてください。
それよって実生苗の作りにもなにかのヒントになるかもしれません。