ちょっと実験的な企画です。

オリジナル品種の作出には10年が掛かると何回も書いてきました。

10年と一口に言っても気の長い仕事です。
オギャ~と生まれた子供が小学4年になるまでの年月ですから・・・。

ただ、それだけ時間を掛けた一仕事は面白いには面白いです。

ビジネスと考えると本当に辛いことが多いですが、楽しみでやるとしたらムチャクチャ楽しいと思います。
ただ、個人で一から培養を始めるとなると、技術的・資金的な面でもなかなか難しいものがあります。

そこで、考えたのが当園での代行です。

趣味家の方に限定します。

趣味家の方も利殖目当てにしないでください。
まず失敗します。

何故なら、今もくろんだ交配種が10年後に売れる保証は無いからです。
極端に言えば10年後に富貴蘭市場が残っているかどうかも判りません。

ただ趣味で楽しむ分には20年でも30年でも行けると思います。
自分だけの楽しみですから・・・。

交配種付はご自分でなさってください。

当園は種をいただいて播種から培養作業を代行します。
秋に播種したものを翌年から4回に分けて移植していきます。
順調にいけばそのまた次の年の春にボトル1本分をお渡しすることができます。

交配種F2を狙うのであれば、その苗を更に親木に成長させることになります。

成木になり花を付けて更に実生(F2)します。

上手くいけばそれがあなただけのオリジナル品種となります。

なぜ10年か?という部分を詳しく例に出して書いてみます。

例えば今年2015年に玉金剛と織姫の交配を狙ったとします。

A) 夏にどちらかを母体にして受粉させます。

B) 種が取れるのが秋です。

C) 秋に撒いた種は暮れごろにはプロトーム化します。

D) 年明け2016年~移植を開始します。移植回数は全4回となります。

E) 翌年、2017年の春には鉢上げできます。

F) 上手な方で2年、下手な方でも4年で花がきます。

G) まあ初花が2021年としておきます。ただしこの花は見送ります。いい種にならないからです。

H) 2022年、やっとこさF2目指してのセルフ種付です。

I) 2023年、移植作業

J) 2024年、ボトル出し!!!

まあ簡単に書くとこんな感じです。
上の例ではざっと9年ですかね・・・。

ただ、これはすごくうまくいってのスケジュールです。

この間には様々なハードルがあります。

例えば・・・

A・・・種が付くかどうかのハードル。
B・・・酷暑の夏を種が持ちこたえるかどうかのハードル。
C・・・種がプロトコーム化できるかどうかのハードル。
   当園では毎年3割程度は発芽せずに失敗で終わります。
D・・・コンタミ発生のリスクは常に付きまといます。
E・・・鉢上げ可能な苗となているかどうかのハードル。
F・・・何年たっても花が来ない木も出てきます。

F2狙いの段階でも上記と同等のリスクがあります。

そして何より落ち込むのが最後の最後で期待したものが出来ない場合です。

これを聞いたら腰がドン引けすると思いますが、正直に書きます。

当初の狙い通りに玉金剛の白縞が出来る可能性は1割以下です。

10年掛けてもただの玉金剛に戻ってしまうケースが90%以上だという事です。

ここに「実生は苦労の割には報われない」という定説が生まれる訳です。

それでも「夢を見たい!!!」とお考えの方は、私が協力者になります。

1種の播種から1ボトルお渡しまでの1サイクルを1万円でお受けいたします。

詳しい手はずなどご質問等ありましたらお気軽にメールしてください。

お電話だと出れないことが多くなりますので、メールの方がありがたいです。

今後1サイクルの培養過程など動画などもまじえてUPする予定ですので、お楽しみに!!!